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Cocoonヘッダー画像モバイルでも切れぬ!

高機能で柔軟性の高い人気のWordPress無料テーマCocoon
Cocoonでのヘッダー画像表示は基本的に背景background-imageとして扱います。
PCは横長、モバイルでは正方形に近くといった異なる高さ指定も可能で自動調整されます。
画像の中央付近に要素を配置すれば、スマホでもなんとなくよい感じの表示になります。
ただ、この挙動は求める表示によっては、問題点もあります。
ウインドウの幅によって

  1. ヘッダ要素(メニューと画像の間)に余白が生じる
  2. 左右、あるいは上下に切れる

Cocoonの標準仕様を活かしたまま、様々なウインドウ幅でのレスポンシブでリキッドに追従し、ヘッダー画像が切れぬようカスタマイズしてみようと思います。

デフォルトの挙動

まずはデフォルトの状態を確認しておきます。
コンテンツ基本幅である1256px+スクロールバー付きのPC表示です。
分かりやすいよう画像の淵にはピンクと青の境界線を付けています。
すべての範囲の表示が確認できます。

次は1400px幅のウインドウです。
1256pxを超えると、下側が切れていってしまいます。

逆に1256pxより小さい場合、次のブレクポイントの間まで画像下部に余白(黄緑の部分)が生じてしまいます。
キャップチャは1200px幅です。
あえて、目立つ背景色としていますが、もちろん、メニューと同色にしておけば、これほどの違和感はないと思います。

また、縦長となるモバイル表示では、両端がカットされます。

ウインドウ幅によってヘッダー画像に切れる部分が生じてしまい、その大きさは幅によって異なります。
このため、画像単体で全体を活かしたデザインは難しいといえます。

ヘッダー背景画像を調整

まずは背景画像が切れることなく、要素に追従させるのであれば、CSSのbackground-sizeプロパティのcontainを使います。
適用してモバイルで見てみましょう。
画像全体が表示されるものの、要素と高さが合わず、余白が生じてしまいます。

.header div.header-inの高さを横いっぱいに広げた背景画像の高さと同じにします。
背景画像の大きさは1920×665なので、この縦横比でmin-height: calc( 100vw * 665 / 1920 )として計算します。
さらにPCを含めて考えると、スクロールバーの幅の分だけ誤差が生じるため、CSS変数を通して補います。

.header {
  background-size: contain;
}
.header div.header-in {
  min-height: calc( ( 100vw - var( --scrollbar-width, 17px)) * 665 / 1920);
}

スクロールバー幅に17pxのデフォルト値を設けています。
多くのブラウザのデフォルト環境では、これで正常に表示されます。

17pxはGoogle Chrome・Firefox・Internet Explorerなど、多くのブラウザのスクロールバー幅のデフォルト値

ただ、実際にはブラウザの種類や表示のカスタマイズによって変動する要素があるため、実際の値をJavaScriptで算出します。

<script>
document.documentElement.style.setProperty('--scrollbar-width', (window.innerWidth - document.documentElement.clientWidth) + "px");
</script>

DOMContentLoaded以降のタイミングなので、フッタテンプレートのwp_footer()直後あたりに記述するのがよいと思います。
スマホや短いページなどの縦スクロールバー不要の状態では0pxとなります。

これでおおむね、切れてしまう箇所がなく、PCでもモバイルでもヘッダー背景画像を全面表示するという目的は果たせています。
細かい点が気にならなければ、以下は必要ありません。

ただ、よく見ると上部が欠けている(ピンクと青の線が見えない)ようですね。
これは背景画像の問題ではなく、ヘッダのメニューバーがあらかじめ少し表示されているためです。
気になる場合は適時#header-container-inのpaddingを調整します。
タブレットメニューでも同様の現象が生じるので、併せて調整しています。

@media screen and (max-width:1005px) {
  #header-container-in {
    padding-top: 22px;
  }
}
@media screen and (max-width: 480px) {
  #header-container-in {
    padding-top: 7px;
  }
}

これで上部まですべて表示されていることが確認できます。

PCではこんな感じです。
上記の1200px幅と比較して背景の余白が生じなくなりました。

ヘッダーサイズが固定の場合

Cocoon設定→サイト幅の均一化→「サイト幅を揃える」という設定があります。
ヘッダー画像を幅100%ではなく、最大でコンテンツ幅(1256px)となります。
この場合には、ウインドウ幅が1256pxを超えると、画像下に余白が生じるため、下記を追加します。
これは1256px幅の際の比率の画像の高さです。

@media screen and (min-width: 1256px) {
  .header div.header-in {
    min-height: 436px;
  }
}

細かいことをいえば、Cocoonはブレークポイント境界で横スクロールバーが出る現象があり、この瞬間に「横スクロールではみ出した長さ」の分の計算が合わなくなって、左端に余白が出ます。
ほぼサイズは合っているので、background-sizecoverとするのも手かと思います。

contain:画像全体が表示されるよう縦横比を保ったまま、かつ、画像ができるだけ大きくなるよう拡大縮小する。
要素サイズを合わせなければ余白が生じる。
cover:基本はcontainと似た挙動だが、縦横比が要素と異なる場合は余白が生じないよう上下左右のどちらかを切り取られる。

実際には、背景色をメニュー、あるいばヘッダー画像と合わせることで、ほとんど目立つことはありません。
この対処は画像読込が遅い場合などにもスマートな表示効果を生むため、「ヘッダサイズが固定」かに関わらず、両方を組み合わせることがベストだとは思います。

PCとモバイル、別のヘッダー背景画像を表示する

せっかくなので、PCとモバイルで別のヘッダー画像を表示してみましょう。
モバイル用には高さを変えた1920×1080の画像を用意しました。
Cocoonの設定画面から選択できるようするには結構なカスタマイズになってしまうため、CSS上で直接指定します。
下記を追記します。

@media screen and (max-width: 480px) {
  .header div.header-in {
     min-height: calc(( 100vw - var( --scrollbar-width, 17px)) * 1080 / 1920);
  }
  .header {
     background-image: url(https://example.com/wp-content/uploads/2021/04/young-3602877_1920_2.jpg);
  }
}

ヘッダーロゴの調整

ヘッダ関連ということで、ヘッダーロゴを少々調整してみます。
ロゴといえば、会社やプロジェクトのロゴマークのようなものを想像しますが、あくまでヘッダーロゴです。
ヘッダーの中央に表示されるパーツのひとつになります。
このことを意識して構成する必要があります。

ヘッダ内のサイトロゴを非表示に

モバイルでは設定によってメニューバーのセンターにも表示されるので、一般的なロゴマークとしても使えそうです。
ただ、その場合はPCでのヘッダー画像内の表示は邪魔になります。
これはCSSで非表示にしてしまいましょう。

@media screen and (min-width: 481px) {
  span.site-name-text img {
    display: none;
  }
}

テキスト表示とロゴ指定を同時に

Cocoonでは、タイトルやディスクリプションがヘッダ内に表示されますが、
ヘッダーロゴを指定した段階でヘッダ上でのテキスト表示はできなくなります。
ヘッダ内テキストを使いつつ、ヘッダーロゴ指定も行う場合はどうすればよいでしょう?
これはヘッダ設定内の「キャッチフレーズの配置」ではなく、CSSで制御する方が手軽です。

.logo-header .site-name::before {
  content: 'Just another WordPress site';
  color: #ccc;
  font-size: 20px;
  font-weight: 600;
}
@media screen and (max-width: 480px) {
  .logo-header .site-name::before {
    color: #fff;
    font-size: 30px;
  }
}

モバイル定義の例も加えてあります。

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執筆:R3098

WEBサービス構築・監修が生業です。WordPress 関連では Aurora Heatmap などのプラグイン開発も行っています。サイト運営者の力になりたいと考えます。

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