WordPressの記事には「投稿」と「固定ページ」の2種類があります。
この概念の違いが初心者の方にはなかなか難しいようです。
そして、「固定ページはseoに弱い」という見解を耳にします。
果たしてほんとうでしょうか?
はっきりと申し上げます。
答えはノーです。
コンテンツの内容次第であり、関係ありません。
ただし、サイト全体の構造として、内容によってどちらが向いているかの概念は存在します。
ブログ型とホームページ型
投稿ページはカテゴリに分類することができ、定期的にコンテンツを追加していくものに向いています。
実際にブログ型サイトであれば、ほとんどが投稿だけで成り立つでしょう。
固定ページはいわゆるホームページ型サイトで必要になります。
固定ページのコンテンツ
あなたの会社が傘の販売を行っているとします。
会社案内・料金案内・注文方法といった独立した内容は固定ページで作成します。
サイトを利用する方に特化したものになります。
もしかするとこれらのページに「検索流入が欲しい」と思うかもしれません。
しかし、「傘 値段」の検索キーワードであなたのサイトの料金案内ページを表示したとして、ユーザーの役に立つでしょうか?
この場合の多くの検索ユーザーの意図は
「傘はいくらくらいするのだろう?」
「高い傘って値段はどのくらい?」
といったものであるはずです。
だとすれば、あなたの会社のラインナップの料金だけが載っているページではユーザーは満足しないでしょう。
Googleは様々なデータの蓄積やアルゴリズムから、キーワードの先にあるユーザーの検索意図に対して検索結果を返しているのです。
投稿向きのコンテンツ
それでは、投稿の場合はどうでしょうか?
ホームページ型においての投稿はいわゆるサイト内ブログといった位置づけになります。
「コンテンツマーケティング」という言葉を耳にしたことがあるでしょう。
コンテンツマーケティングとは、読者にとって価値あるコンテンツの制作・発信をとおして見込み顧客のニーズを育成、購買を経て、最終的にはファンとして定着させることをめざす一連のマーケティング手法です。
WordPressをCMS、つまり、ホームページ構築に使うとすれば、投稿はうってつけの仕組みとなります。
投稿に向くのは
「傘は何年くらいもつのか?」
「傘の手入れ方法」
といったコンテンツになります。
直接的に商売に繋がるといったものではありません。
しかし、内容がよければ、「傘 寿命」だったり「傘 手入れ」といった検索キーワードの需要にマッチしてきます。
結果的に投稿の方が内容として検索流入が多くなるケースが多いです。
ただ、これは投稿である固定ページであるといったことが理由ではありません。
他の投稿も含めて階層的に記事を配置できることで、その構造という点がプラスの要素として働くことはあるでしょう。
ただし、1カテゴリ1記事のようなWordPressのカテゴリをうまく使えていないケースも多く見受けるため、適切なカテゴリ構造は意識する必要があります。
よいコンテンツ作りに集中する
おもしろいことに固定ページの方が評価が高いと主張をされる方もおり、「日付の付かない」ということが根拠らしいです。
当然ながらこれも的外れですね。
たしかに日付が古ければ、信頼性に疑念を抱くケースもあるでしょう。
そして、Googleは鮮度の高いコンテンツを好むとはいわれています。
ただし、該当ページが公開されたままなのか、更新されているのかを把握しています。
もちろん、ページの内容も被リンク情報も過去にそのページを閲覧したユーザー行動も把握しているのです。
そういったアルゴリズムの上でこのユーザーに対して役に立つかどうか?という判断を行っているわけです。
そもそも、日付がなければ、鮮度を判別できないはずもありません。
もしも、本当にそのような結果が出ているとすれば、テクニカル面など、なにかしらの問題がある可能性があります。
誤った情報も散見していますが、惑わされず、よいコンテンツを作ることに集中すべきです。
日付よりも重要なのは常にコンテンツを磨き、ブラッシュアップすることです。
検索需要のパターンとは?
最後に投稿と固定ページのどちらが検索エンジンに評価されるか?という観点からは少し逸れるかもしれませんが、検索需要について少しだけ補足しておきます。
一口にコンテンツマーケティングといっても、検索需要には下記のようなパターンがあります。
運営するサイトのコンバージョンによってこれを意識することはとても重要です。
- インフォメーショナルクエリ(情報関連)
- トランザクショナルクエリ(購入・申込み関連)
- ナビゲーショナルクエリ(特定のウェブサイトの案内)
下記のようにも表すこともできます。
- Knowクエリ(知りたい)
- Goクエリ(行きたい)
- Doクエリ(やってみたい)
- Buyクエリ(買いたい)
大切なのはクエリの関連キーワードを網羅することではありません。
それぞれの検索ユーザーの意図をよく考察すること。
「検索需要に対する明確な答えを返す」
これこそがGoogleの評価するコンテンツです。